巻頭の言葉

JFEホールディングス名誉顧問

數土文夫すど・ふみお

君子は諸を己に求む。
小人は諸を人に求む
──『論語』衛霊公第十五

2024年5月号

特集
まずたゆまず
まず」は「飽きない」、「たゆまず」は「心をゆるめない」ということである。1つのことを始めたら途中でいやになって投げ出したりしない。孜々ししとして努力を続ける。その大事さを説いている。人間の心が陥りやすい通弊つうへいを戒めた言葉と言える。

『論語』の子路しろ編にこういう有名な言葉がある。

子路 まつりごとを問う
子曰く 之に先んじ之を労す(先之労之)
益を請う 倦むことなかれ(無倦)

弟子の子路が政治の心得を尋ねた。孔子が「皆より先に苦労をし、皆をねぎらってやることだ」と答えた。この答えに満足しなかった子路が「もっと他にありませんか」と聞くと、孔子はこう言った。「無倦──飽きることなく続けることだ」
特集 倦まず弛まず
連載
致知随想