かな書道の名門・正筆会の会長を務める黒田賢一氏。22歳という若さで日展に入選するなど早くから頭角を現してきた現代かな書道の第一人者である。師・西谷卯木氏との邂逅と別れをはじめ書家としての転機を交えながら、60年以上に及ぶ書家人生を振り返っていただいた。
書家、正筆会会長
黒田賢一
くろだ・けんいち
昭和22年兵庫県生まれ。10代でかな書家の西谷卯木に師事し、22歳で日展初入選。44歳でかな書道研究会・正筆会理事長となり、以降兵庫県書作家協会会長、正筆会会長、日展理事などを歴任。日展では2度特選を受賞した他、『静寂』で内閣総理大臣賞、『小倉山』で日本藝術院賞を受賞した。日本藝術院会員、文化功労者。