巻頭の言葉

JFEホールディングス名誉顧問

數土文夫

あやまてばすなわあらたむるにはばか
ことかれ。過ちて改め
ざる、これあやまちう。
『論語』学而・衛霊公

2025年2月号

特集
2050年の日本を考える
「一眼は遠く歴史の彼方かなたを そして一眼はきゃっの実践へ」──。

哲学者・森信三師の言葉である。歴史の流れを見つめつつ、我はどう生くべきかを考え、日々の為すべきことを実践していく大事さを説いている。その意味で、本誌には忘れられないことがある。ヤナセのやな次郎氏から聞いた話である。

昭和20年、第二次大戦敗戦。日本は都市という都市が空爆を受け、全土が焦土と化した。その敗戦からわずか19年後の昭和39年、日本は新幹線を走らせ、高速道路を建設し、東京オリンピックを開催した。このことについて、梁瀬氏は親しくしていた元総理の吉田茂氏から質問されたという。

「梁瀬君、日本は何の資源もない国だ。その国がたった19年でこれだけの復興を遂げたのはなぜだか分かるか」
特集 2050年の日本を考える
連載
致知随想