日本の混迷の大本は、日本人が太古の昔から育んできた美質を、欧米崇拝の歴史の中で見失ってしまったことにある──。日本のあるべき姿を長年、提言してきた藤原正彦氏の視点は明確である。そして、明治人たちの生き方に学ぶことは、その美質を取り戻す道でもあるという。藤原氏の提言は、眠っている日本人の魂の覚醒を促すものといってよい。
お茶の水女子大学名教授
藤原正彦
ふじわら・まさひこ
昭和18年旧満州新京生まれ。東京大学理学部数学科大学院修士課程修了。理学博士。コロラド大学助教授などを経て、お茶の水女子大学教授。現在は同大学名誉教授。53年に数学者の視点から眺めた清新な留学記『若き数学者のアメリカ』(新潮文庫)で日本エッセイスト・クラブ賞受賞。ユーモアと知性に根ざした独自の随筆スタイルを確立する。著書に280万部の大ベストセラー『国家の品格』(新潮新書)の他、『国家と教養』(同)『スマホより読書 本屋を守れ』(PHP文庫)など多数。最近著に『藤原正彦の代表的日本人』(文春新書)。