巻頭の言葉

高千穂神社宮司

後藤俊彦ごとう・としひこ

庭の教え

2023年7月号

特集
学を為す、故に書を読む
学を為す、故に書を読む─幕末の儒者佐藤一斎いっさいの言葉である。学を為すために書物を読むのである。書物を読むことがすなわち学ぶことではない、の意である。

学といえば学校の勉強が思い浮かぶがそうではない。ここでいう学は人間学のことである。自分を創ることである。人が学ぶのは自分を創るためであり、本を読むことがそのまま自分を創ることにはならない、と一斎はただの本読みになることをいましめているのである。

一斎は〝学〟に対して生涯、その姿勢を貫いた。
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