2023年7月号
特集
学を為す、故に書を読む
特集

学を為す ゆえに書を読む

    この記事は約3分でお読みいただけます

    学を為す、故に書を読む─幕末の儒者佐藤一斎いっさいの言葉である。学を為すために書物を読むのである。書物を読むことがすなわち学ぶことではない、の意である。

    学といえば学校の勉強が思い浮かぶがそうではない。ここでいう学は人間学のことである。自分を創ることである。人が学ぶのは自分を創るためであり、本を読むことがそのまま自分を創ることにはならない、と一斎はただの本読みになることをいましめているのである。

    一斎は〝学〟に対して生涯、その姿勢を貫いた。