巻頭の言葉

JFEホールディングス名誉顧問

數土文夫すど・ふみお

枢言に曰く、
「之を愛し、之を利し、
之を益し、之を安んず」。
四つのものは道の出なり
──『管子』枢言

2026年12月号

特集
住するところ
なきを
花と知るべし
住するところなきをまず花と知るべし。

有名な世ぜ阿あ弥みの言葉である。どこまでも学び続けることこそが花、ということである。

世阿弥のことについては本文で子孫の観かん世ぜ清きよ和かず氏が精くわしく紹介してくれているので、その稿に譲るが、『致知』にご登場いただいた先達は皆、一様にこの言葉を体現して生きられた人たちであることに思い至る。

本誌もまた、かくあらんと歩ほを進め、今日に来た。

最近、ある小学生から「致知と私」と題して感想文をいただいた。一読し、驚いた。『致知』を読み、こんな文章を書く小学生がいるのかと、驚嘆した。その文章を全文紹介する。

※

「こんなかたい雑誌、小学生は絶対読まない」手にしたときそう思った。それが2年前小学4年の僕である。日本中を探しても『致知』を読む奇き特とくな小学生なんているわけがない。それなのに塾でこの『致知』を毎日読むことになった。国語の教科書を音読した後に続けて「致知読み」という時間が設けられた。しかし、読み終わると自然に感想が出た、というより感想を言いたい衝しょう動どうにかられた。侃かん々かん諤がく々がく、喧けん嘩かのようになるときもある。これまで同じ塾生同士、意見をぶつけ合ってきた。
特集 住するところなきを花と知るべし
連載
致知随想