我が身を修め、心を養う。そうして磨いた自分を以て、周りの人や環境をよくしていく──自己修養は、職業や立場を問わず、よい人生を送る基本条件と言える。明治から大正、昭和にかけ、この精神を全国に説き広めた人物がいた。蓮沼門三と後藤静香。生涯の盟友であった2人の生き方に、蓮沼氏の令孫である山﨑一紀氏、後藤氏の薫陶を受けた最後の世代である中澤宏則氏の語りを通して迫る。
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蓮沼門三
はすぬま・もんぞう
明治15年福島県生まれ。36年東京府師範学校入学、39年在学生を中心に「修養団」を設立。卒業後の41年機関誌『向上』を発刊。大正4年「全国青年天幕講習会」を開催、生涯を社会教育に尽くす。昭和55年、数え99歳で死去。銀杯一組を賜り、正四位に叙せられる。勲二等瑞宝章、喜多方市名誉市民第1号。『蓮沼門三全集』(全12巻)などがある。
後藤静香
ごとう・せいこう
明治17年大分県生まれ。東京高等師範学校で数学を学び、長崎県立高等女学校、香川県女子師範学校で教鞭を執る。大正7年「希望社」を創設。月刊誌『希望』をはじめ数々の雑誌を発行する。昭和8年同社解散、翌年「心の家」を立ち上げ、全国の社会教育、社会福祉に一生を捧げた。44年84歳で死去。代表作に『権威』『道のしるべ』(善本社)など。
修養団第三代主幹
山﨑一紀
やまざき・かずのり
昭和23年東京都生まれ。蓮沼門三氏の孫。平成4年財団法人修養団理事。常務理事・事務局長、専務理事を歴任、28年より第三代主幹。著書に『自分を育てる 「蓮沼門三のことば110」を読む』(修養団)。
後藤静香記念館館長
中澤宏則
なかざわ・ひろのり
昭和19年神奈川県生まれ。大学受験浪人中に後藤静香氏に出逢う。岡三証券に勤務。「心の家」常務理事も務めた。平成18年より後藤静香記念館館長。個人通信「こころの家族通信」を季刊で発行中。