巻頭の言葉

高千穂神社宮司

後藤俊彦ごとう・としひこ

歴史に学ぶ
わが国の真の姿を取り戻し、
先人のご恩に報いる道

2024年10月号

特集
この道より
我を生かす道なし
この道を歩く
「この道より我を生かす道なし この道を歩く」──作家・しゃこうさねあつが色紙などによく書いた言葉である。35歳の時に始まり90歳でせきに入るまで繰り返し書いている。作家として生きる以外に自分の道はない、この道をひたすら深めていくだけだ、という思いを抱き続けたのだろう。

道は異なっても、一道を歩んだ人は皆、同じ感慨を抱いているのではないか。昭和53年の創刊以来、本号で46周年を迎える本誌もまた、同じ思いを持つものである。

「こちらに同じ波長の電波を持ち合わせていなければ、良き師、良き友との出会いはない」とは、本号にもご登場いただいている高僧・青山しゅんどうさんから教わった言葉だが、「仕事にも人生にも真剣に生きている人の心の糧となる」という創刊理念を貫いてきた『致知』の電波波長が、その道の大家と言われるたくさんの人たちの電波波長と同調し、ご縁をいただくことになったのだと確信している。これは本誌にとって何よりの宝である。

本誌が人間学誌として成長する上で、忘れてはならない4人の恩人がいる。安岡正篤、森信三、平澤こう、坂村しんみんの4師である。それぞれに「この道」を歩み、深められた人たちである。
特集 この道より我を生かす道なし この道を歩く
連載
致知随想