報徳仕法という独自の理論によって600を超える村々を窮乏から救った農政家・二宮尊徳(金次郎)。他に類を見ない財政家であり思想家、土木技師でもあった尊徳だが、その存在は日本人の間から次第に忘れられつつある。「倦まず弛まず」の言葉の如く、常に率先垂範で農村改革を推進した尊徳に私たちが学ぶべきものは多い。その歩みや信条を二宮総本家当主・二宮康裕氏と、弊誌にて「二宮尊徳 世界に誇るべき偉人の生涯」の連載を始めた作家・北 康利氏に語り合っていただいた。
二宮総本家当主
二宮康裕
にのみや・やすひろ
昭和22年神奈川県生まれ。東北大学大学院博士課程前期(日本思想史)修了、同後期中退。出版社編集部、公立学校教員を経て、二宮金次郎研究に専念。二宮総本家当主。著書に『日記・書簡・仕法書・著作から見た二宮金次郎の人生と思想』(麗澤大学出版会)『二宮金次郎正伝』(モラロジー研究所)『日本人のこころの言葉 二宮金次郎』(創元社)『二宮金次郎と善栄寺』(スポーツプラザ報徳)など。
作家
北 康利
きた・やすとし
昭和35年愛知県生まれ。東京大学法学部卒業後、富士銀行入行。富士証券投資戦略部長、みずほ証券業務企画部長等を歴任。平成20年みずほ証券を退職し、本格的に作家活動に入る。『白洲次郎 占領を背負った男』(講談社)で第14回山本七平賞受賞。著書に『思い邪なし 京セラ創業者稲盛和夫』(毎日新聞出版)など多数。近著に『ブラジャーで天下をとった男 ワコール創業者 塚本幸一』(プレジデント社)がある。