2006年、28歳であんぱんの元祖として知られる木村屋總本店の7代目に就任した木村光伯氏。同社は一時期、4期連続赤字を出す経営危機に陥っていたが、木村氏の指揮のもと見事生まれ変わり、2019年には創業150周年を迎えた。その木村屋の変革の軌跡には、単なる経営のノウハウではない〝生きた実践哲学〟が込められている。
山岡鉄舟が揮毫した「銀座木村屋」の看板
木村屋聰本店社長
木村光伯
きむら・みつのり
昭和53年東京都生まれ。平成13年学習院大学経営学科卒業後、家業である木村屋總本店に入社。14年に日本パン学校で、翌年にはアメリカに留学してパンづくりを本格的に学ぶ。17年に取締役、18年に常務取締役に就任。同年、7代目社長となる。31年に創業150周年を迎えた。