飛騨高山の地に行列と弟子入り希望が絶えないパン屋がある。その名は「トラン・ブルー」。オーナーシェフの成瀬 正氏は、パン職人のワールドカップで選手として世界3位、監督として世界の頂点に立った経験を持つ。氏はいかにして腕を磨き、繁盛店へと育て上げたのか。決して妥協を許さない求道の歩みは、自反尽己の精神の化身に他ならない。
トラン・ブルー オーナーシェフ
成瀬 正
なるせ・ただし
昭和35年岐阜県生まれ。58年成城大学卒業後、アートコーヒー入社。日本パン技術研究所、ホテルオークラ東京を経て、61年帰郷。平成元年「トラン・ブルー」をオープン。著書に『世界も驚くおいしいパン屋の仕事論』(PHP研究所)『トラン・ブルーが切り拓くパンの可能性』(旭屋出版)がある。