2017年10月号
特集
自反尽己じはんじんこ
インタビュー②
  • 丸和運輸機関社長和佐見 勝

お客様への
徹底奉仕で、物流に
新たな価値を生む

「桃太郎便」で知られる丸和運輸機関は、新たなビジネスモデルを武器に、いままさに物流業界に新風を巻き起こしつつある。創業者である和佐見 勝氏は若くして裸一貫で運送会社を立ち上げると、「お客様第一義」を掲げ、同社を設立以来44期増収増益を続ける優良企業へと育て上げてきた。どんなことがあっても決して諦めない姿勢を貫いてきた和佐見氏に、その波瀾の半生を振り返っていただいた。

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物流をコストから価値に

——2年前に東証一部上場を果たされるなど、近年、物流業界における御社の存在感が増しておりますが、特にいまどんなことに力を入れておられますか。

いまはまさに少子高齢化の時代であって、どの業界も人手不足ですよね。ですから、我が社で最も力を入れているのは、新たに1万人の人材を確保するということですね。我が社はグループ全体でパートさんも含めて約9,400人おりますが、何はともあれ、それが最優先事項です。
では、なぜ1万人なのかと言いますと、一つには「低温食品物流で日本一になろう」ということで新たな戦略を立てて取り組み始めていて、今年(2017年)で4年目に入るんですよ。計画としては最初の5年間で地固めをして、2020年の売り上げ目標1,000億円(2016年度の売上高は約670億円)のうち、半数の500億円を低温食品物流からの売り上げに拡大しようというのが僕の考えです。

——そのために、人材の確保が急務であると。

ええ。なぜ低温食品物流にターゲットを絞ったのかにも理由がありまして、衣食住のうち人間が生きていく上で一番大事なのは「食」ですよね。ですから、我が社が温度管理を徹底するなどして、安心安全の「食」をお客様にお届けしよう、という使命を持って仕事に取り組みたいという思いがあるんです。
ところがスーパーマーケットへの物流というと、皆さんにはコストだという認識しかなくて、100人に聴けば100人とも「物流はコスト」だと言う。でも、僕はあえて「物流は価値」だと受け止めていただけませんか? と訴えることで、全国の優良食品スーパーや地域一番店を顧客化しているんです。
  
——物流は価値である、と。

そうです。スーパーにとって仕入れがしっかりしていれば、それが売り上げにも繋がるわけで、その基盤となるのが物流です。
では、その物流をしっかりやっているかどうかということになりますと、これまではほとんどのスーパーが食品問屋さんの物流を利用していました。つまり他社物流です。ところが、その食品問屋さんもいまは人手不足が深刻で、以前に比べたら物流に力を注ぐということができてないんですよ。

丸和運輸機関社長

和佐見 勝

わさみ・まさる

昭和20年埼玉県生まれ。15歳から都内の青果店で修業し、19歳で独立。24歳で運送業を起業、48年丸和運輸機関を設立、社長に就任。平成3年3PL事業に参入。26年東証二部上場を経て、翌年一部上場を果たす。29年日本3PL協会会長に就任。