ローマ皇帝マルクス・アウレリウスが書き遺した言葉を1冊にまとめた『自省録』は、現在に至る1000年以上にわたって読み続けられてきた不朽の古典である。ある時には自らを叱咤し、ある時には自らを省み、ある時には大宇宙と大自然の恵みに感謝する、珠玉の言葉に溢れた本書は、現代を生きる私たちの心にも深く響いてくる力を持っている。20年来、マルクス帝の言葉を心の糧としてこられた池田雅之氏に、その波瀾に満ちた生涯、そして『自省録』の言葉に学ぶべきことを語っていただいた。
早稲田大学名誉教授
池田雅之
いけだ・まさゆき
三重県生まれ。早稲田大学名誉教授。専門は比較文学、比較文化論。著書に「100分de名著 小泉八雲日本の面影」(NHK出版)「イギリス人の日本観」(成文堂)、訳書に今回取り上げる「自分の人生に出会うための言葉―ロ-マ皇帝マルクス・アウレリウスの人生訓」(草思社)など多数。