高校卒業後、単身香港に渡ったのを皮切りに料理の本場を渡り歩き、薬膳に目覚めた追立久夫氏。日本で知る人の少なかった薬膳、その本質を追究し広める独創の歩みは悲喜交々であった。この道50余年、料理を通して人生を味わい、古希を越えた氏の仕事観・人間観に迫る。
薬膳料亭「凛 追立」オーナーシェフ
追立久夫
おいたて・ひさお
昭和26年鹿児島県生まれ。高校卒業後、46年香港に渡り、北京料理・広東料理の修業に入る。以後、日本と中国、台湾、韓国など本場を行き来しながら薬膳料理の研究を進め、「追立式」中国料理を確立。平成2年『追立久夫の薬膳と健康』全5巻を出版。翌年国際食博覧会中華部門で金賞、郵政大臣賞を受賞。8年独立し、現在は「凛 追立」(大阪府守口市)オーナーシェフを務める。