禅の文化を西洋に伝えたことで知られる仏教学者・鈴木大拙。大拙がアメリカに定住し大学での講義や講演活動を始めたのは79歳の時である。以来、88歳で帰国するまでこの活動は続いた。大拙はいかなる願を抱いて禅文化を西洋に伝えようとしたのだろうか。大拙に親炙した上田閑照氏、岡村美穂子氏の話をとおして、その求道者としての実像が見えてくる。
京都大学名誉教授
上田閑照
うえだ・しずてる
大正15年東京生まれ。京都大学文学部卒業。京都大学名誉教授。著書に『上田閑照集』『鈴木大拙とは誰か』『西田幾多郎 人間の生涯ということ』(いずれも岩波書店)『禅仏教 根源的人間』(筑摩書房)など多数。
大谷大学元講師
岡村美穂子
おかむら・みほこ
昭和10年アメリカ・ロサンゼルス生まれ。ハンター・カレッジ、コロンビア大学に学ぶ。『ザ・イースタン・ブディスト』編集員、大谷大学講師などを歴任。著書に『大拙の風景 鈴木大拙とは誰か』『思い出の小箱から 鈴木大拙のこと』(ともに燈影撰書)など。