2020年9月号
特集
人間を磨く
インタビュー③
  • 武蔵コーポレーション社長大谷義武

リーダーの使命は
人間を磨くこと

コロナ禍で先行き不透明な社会情勢の中、堅調な業績を維持している会社がある。不動産を通じて顧客の資産形成をサポートする武蔵コーポレーションである。日本人としてのアイデンティティーを大切に、ユニークな経営を展開する社長の大谷義武氏に、経営に懸ける思いを伺い、この厳しい状況下で伸びる会社の条件を探った。

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事業を通じて顧客の不安を払拭する

——大谷おおやさんの経営なさっている不動産会社・武蔵むさしコーポレーションは、このコロナの中でも好調を維持なさっていると伺いました。

インターネットを活用した商談に活路を見出しましてね。おかげさまで5月以降は3月、4月の苦戦を挽回ばんかいしています。
社員を守るために、緊急事態宣言下では半数以上を在宅勤務にしましたし、いまも出勤時間は午前11時から午後4時までに制限していますが、この厳しい状況下で2019年並みに売上高約100億円を計上できる見込みです。

——業務においてはどのような特色を打ち出されていますか。

当社は、主にアパートやマンション、ビルなど投資用不動産の提供を通じて、お客様の資産運用のお手伝いをさせていただいています。
先日の新聞に、日本の出生数がとうとう90万人を割ったという報道がありました。将来への不安が高まる中で、資産形成、資産保全を通じてお客様の不安を払拭ふっしょくすることを使命と考えて取り組んでいます。
もちろん住居を求められるお客様には、快適なお部屋の提供を行っています。当社の物件の平均家賃は5万円で、一都三県では結構安いものですから、一度入っていただくと長く親しんでいただけるのです。
営業エリアは東京以外に横浜、埼玉、宇都宮、高崎、軽井沢、浜松にも広がっていまして、今後は関西にも事業を展開していく予定です。こうして成長を果たしていけるのも、当社の事業が幸いにしてお客様の需要にマッチしているからですが、会社はそれだけで発展するものではありません。

——何が大事だとお考えですか。

一番大事なのは、いかにいい人を集めて、モチベーション高く仕事をしてもらえるかだと思います。そこがうまく回転したおかげで、当社はここまでやってこられたと思っています。

武蔵コーポレーション社長

大谷義武

おおや・よしたけ

昭和50年埼玉県生まれ。東京大学経済学部卒業後、三井不動産に入社。平成17年武蔵コーポレーション設立。主に収益用不動産を用いた資産形成のサポート事業を展開。また、販売後の賃貸管理にも力を入れ、独自の手法で管理戸数1万7,000戸、入居率96%以上を維持。著書に『大企業は20代でやめなさい』『絶対に後悔しない新卒の「会社選び」』(共に幻冬舎)などがある。