日本画界の重鎮・田渕俊夫氏は2017年、阿弥陀三尊浄土図と仏教伝来の壁画計15点を5年がかりで完成させ、奈良・薬師寺に奉納した。作品を横に並べると実に50メートルに及ぶ大作である。今年(2018年)喜寿を迎える田渕氏の旺盛な創作意欲は、どこから生まれるのだろうか。師・平山郁夫氏からの薫陶を交えながら、絵に懸ける思いをお話しいただいた。
画家、日本美術院理事長
田渕俊夫
たぶち・としお
昭和16年東京生まれ。40年東京藝術大学美術学部卒業、42年同日本画修士課程修了。愛知県立芸術大学助教授を経て、60年東京藝術大学助教授に。平成7年教授、17年副学長、21年から名誉教授。28年から日本美術院理事長。第67回日本美術院展覧会日本美術院大観賞、院展文部大臣賞、院展総理大臣賞など受賞歴多数。