稲盛和夫氏。日本を代表する経営者として、その名を知らない人はいまい。京セラやKDDIを創業し、それぞれ1.5兆円、4.9兆円を超える大企業に育て上げ、倒産したJALの会長に就任すると、僅か2年8か月で再上場へと導いた。功績はそれだけに留まらない。中小企業経営者の勉強会「盛和塾」の塾長を務め、1万2,000人以上の経営者から師と仰がれている他、日本発の国際賞「京都賞」を創設し、人類社会に多大な貢献をもたらした人物の顕彰を続けている。稲盛氏の多岐にわたる活動に通底しているもの。それは「利他の心」である。〝新・経営の神様〟の呼び声高い稲盛氏が語り明かした「人生と経営」、そして「繁栄への道」——。
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京セラ名誉会長
稲盛和夫
いなもり・かずお
昭和7年鹿児島県生まれ。鹿児島大学工学部卒業。34年京都セラミック(現・京セラ)を設立。社長、会長を経て、平成9年より名誉会長。昭和59年には第二電電(現・KDDI)を設立、会長に就任、平成13年より最高顧問。22年には日本航空会長に就任し、27年より名誉顧問。昭和59年に稲盛財団を設立し、「京都賞」を創設。毎年、人類社会の進歩発展に功績のあった方々を顕彰している。また、若手経営者のための経営塾「盛和塾」の塾長として、後進の育成に心血を注ぐ。著書に『人生と経営』『「成功」と「失敗」の法則』『成功の要諦』(いずれも致知出版社)など。