東京都世田谷区の特別養護老人ホーム芦花ホームの医師・石飛幸三氏は18年間、多くの入居者の死を看取ってきた。大病院時代の石飛氏にとって手術の失敗は文字通り敗北だった。しかし、同ホームに勤務し医学の限界と終末医療のあり方を突きつけられることになる。氏が行き着いた医療とはどのようなものなのだろうか。
特別養護老人ホーム芦花ホーム医師
石飛幸三
いしとび・こうぞう
昭和10年広島県生まれ。慶應義塾大学医学部卒業。ドイツで血管外科を学び帰国後は東京都済生会中央病院に勤務。同病院副院長を経て平成17年特別養護老人ホーム・芦花ホームの常勤医師となる。著書に『平穏死のすすめ』(講談社文庫)『家族と迎える「平穏死」』(廣済堂出版)など。