日産コンツェルンの創業者・鮎川義介。戦前に日産自動車、日立製作所、日本鉱業、日本油脂、日本水産など141社を立ち上げ、戦後は中小企業の支援や育英会の創設などに心血を注いだ。そこに一貫するテーマは人間学に根差した人創りと教育であり、私利私欲なく世のため人のために尽くし切った〝無私奉公〟の生き方である。鮎川義介の義娘でその精神を受け継ぐ鮎川雅子さんに、稀有なる人物の足跡を辿りながら、いま私たちが学ぶべき鮎川哲学を繙いていただいた。
日産グローバル社長
鮎川雅子
あゆかわ・まさこ
東京都生まれ。昭和48年鮎川義介の次男・金次郎と結婚し、鮎川家に嫁ぐ。55年鮎川経営義塾主幹、平成20年日産グローバル社長に就任。その他、ユニバーシティアカデメイア21学園長も務める。鮎川哲学を次世代に伝承する活動に力を注ぐ。