工具業界では、ある商品が年間1万丁売れれば大ヒットと言われている。その常識を大阪にある従業員30名の小さなメーカーが覆した。工具の名は「ネジザウルス」。シリーズ累計販売数は13年間で実に270万丁にも及ぶ。しかし、一時は赤字に陥り、経営危機に立たされた。そこからいかにしてヒット商品を生み出し、V字回復を成し遂げたのか。エンジニア社長・髙崎充弘氏に伺った。
エンジニア社長
髙崎充弘
たかさき・みつひろ
昭和30年兵庫県生まれ。52年東京大学工学部卒業後、三井造船に入社。米国レンスラー工科大学に留学し、修士課程卒業。62年家業の双葉工具(現・エンジニア)に入社。平成14年に発売した工具「ネジザウルス」をシリーズ累計270万丁の大ヒット工具に育て上げた。16年より現職。著書に『「ネジザウルス」の逆襲』(日本実業出版社)がある。