京都を代表する料亭「和久傳」と大分由布院を代表する温泉旅館「玉の湯」。先代よりそれぞれの経営を引き継ぎ、ブランド価値をさらに高めてきたのが桑村祐子さんと桑野和泉さんである。事業承継に至るまでの葛藤や努力、コロナ禍における苦労や挑戦を赤裸々に語っていただくと共に、全国から客足が絶えない秘訣、お二人が目指す一流のおもてなしとは何か。そして繁盛し続ける老舗はどこが違うのか──。
高台寺和久傳社長
桑村祐子
くわむら・ゆうこ
昭和39年京都府生まれ。62年ノートルダム女子大学卒業。平成2年家業である料亭「高台寺和久傳」の2号店として、カウンター席中心の「室町和久傳」をオープンし、軌道に乗せる。19年「高台寺和久傳」女将、23年社長に就任。現在、京都市内に5店舗の料亭を運営する。
上)伝統ある料亭がひしめく京都で、後発ながらも多くのお客様に愛され、2022年に開店40年を迎えた一流料亭「高台寺和久傳」 下)幻のカニと呼ばれる間人蟹(たいざがに)を使用した焼き蟹コース・蟹会席は同店の冬の名物となっている
由布院玉の湯社長
桑野和泉
くわの・いずみ
昭和39年大分県生まれ。62年清泉女子大学文学部卒業。平成4年家業の温泉旅館「由布院玉の湯」に入社、広報の仕事を担う。その後は専務を経て、15年社長に就任。NHK経営委員、JR九州社外取締役、ツーリズムおおいた会長、由布院温泉観光協会会長などを歴任する。