道場六三郎氏。この道一筋に歩み来て75年、和食の神様と称される。
この1月に93歳を迎えたが、凛としたコックコート姿はいまも健在だ。その矍鑠たる秘訣は何か。
原点にある両親の教え、若い頃からの心懸けと創意工夫の実践、逆境の乗り越え方、
後から来る者たちに伝えたいこと、老いて輝く人と老いて衰える人の差を交えつつ、「倦まず弛まず」を象徴する道場氏の生き方に迫った。
銀座ろくさん亭主人
道場六三郎
みちば・ろくさぶろう
昭和6年石川県生まれ。25年単身上京し、銀座の日本料理店「くろかべ」で料理人としての第一歩を踏み出す。その後、神戸「六甲花壇」、金沢「白雲楼」でそれぞれ修業を重ね、34年「赤坂常盤家」でチーフとなる。46年銀座「ろくさん亭」を開店。平成5年より放送を開始したフジテレビ『料理の鉄人』では、初代「和の鉄人」として27勝3敗1引き分けの輝かしい成績を収める。12年銀座に「懐食みちば」を開店。17年厚生労働省より卓越技能賞「現代の名工」受賞。19年旭日小綬章受章。著書に『91歳のユーチューバー 後世に伝えたい! 家庭料理と人生のコツ』(主婦と生活社)など多数。