大分県宇佐市の佐藤第二病院院長・田畑正久氏は、死と向き合う長期療養患者の診療に当たる一方、仏教伝道者としての顔を持つ。長年、医療と仏教との接点を模索し、縁ある人たちに老病死を乗り越える力を与えてきた田畑氏の話は、そのまま人生の悲愁を越える智慧でもある。
佐藤第二病院院長
田畑正久
たばた・まさひさ
昭和24年大分県生まれ。九州大学卒業後、九州大学医学部附属病院、国立中津病院、東国東地域広域国保総合病院(現・国東市民病院)を経て、現在佐藤第二病院(大分県宇佐市)院長。龍谷大学大学院実践真宗学研究科教授なども歴任。日本外科学会専門医、指導医を歴任。30年ほど前から大分県内を中心に「歎異抄に聞く会」を開催。著書に『医者が仏教に出遇ったら』『医療文化と仏教文化』(共に本願寺出版社)など。