若き日、日本を代表する料亭・吉兆でともに腕を磨き合った石原仁司氏と岩本光治氏。創業者・湯木貞一氏の薫陶を受け、独立後は京都と徳島でそれぞれ、全国でも名の知られた日本料理の店を育て上げてきた。お二人はこれまでどのような関を超え、料理人としていかなる心構えで日々仕事に打ち込んでいるのだろうか。その精進そのものの人生観、仕事観を伺った。
日本料理・未在店主
石原仁司
いしはら・ひとし
昭和27年島根県生まれ。43年大阪高麗橋𠮷兆本店に入店、故湯木貞一氏に師事。京都龍安寺大珠院住職・故盛永宗興老師と出会い、師事を仰ぐ。京都𠮷兆料理長を経て平成4年総料理長に就任。16年京都東山の円山公園に未在を開く。
虎屋 壺中庵店主
岩本光治
いわもと・みつはる
昭和28年徳島県生まれ。高校卒業後、46年𠮷兆に入社し、故湯木貞一氏に師事する。嵐山𠮷兆で5年間の修業の後、家業を嗣ぎ60年虎屋 壺中庵を開く。