本誌はこれまでも「運」に関するテーマを折に触れて組んできた。各界の第一線で活躍されている一流の方々にお会いし、質問を発するたび、「私は運がいいんです」と口を揃える。「私は運が悪いんです」と答えた人は誰一人としていない。交通、不動産、生活サービス、ホテル・リゾートを事業の柱にまちづくりを手掛け、216社7法人で構成する一大グループを統括する野本弘文氏と、27歳の時に徒手空拳で創業した会社を上場企業10社を含む2,800億円規模のインターネットグループへと導いてきた熊谷正寿氏。このお二方もまた然り。企業経営と運に相関関係はあるのだろうか――。
東急会長
野本弘文
のもと・ひろふみ
昭和22年福岡県生まれ。46年早稲田大学理工学部卒業後、東京急行電鉄(現・東急)入社。63年グループ会社である東急不動産に出向。平成13年事業戦略推進本部メディア事業室長、16年グループ会社でケーブルテレビ事業を行うイッツ・コミュニケーションズ取締役社長を経て、19年東京急行電鉄取締役。23年4月より取締役社長に就任。30年より取締役会長。東急グループ代表も務める。