日本が近代化への道を歩み始めて間もない1908年、日本人の本質を伝えるべく1冊の英文の書籍が世界に向けて発行された。キリスト者・内村鑑三による『代表的日本人』である。同書で紹介された西郷隆盛、上杉鷹山、二宮尊徳、中江藤樹、日蓮上人の5人は共に死中にあって活路をひらいた偉人といってよい。同書を愛読し、経営や人生の指針としてきたJFEホールディングス名誉顧問の數土文夫氏、グロービス経営大学院院長の堀 義人氏に5人の生き方や、いまを生きる私たちへのメッセージなどを語り合っていただいた。
JFEホールディングス名誉顧問
數土文夫
すど・ふみお
昭和16年富山県生まれ。39年北海道大学工学部冶金工学科を卒業後、川崎製鉄に入社。常務、副社長などを経て、平成13年社長に就任。15年経営統合後の鉄鋼事業会社JFEスチールの初代社長となる。17年JFEホールディングス社長に就任。22年相談役。経済同友会副代表幹事や日本放送協会経営委員会委員長、東京電力会長などを歴任し、令和元年5月旭日大綬章受章、同年6月より現職。
グロービス経営大学院院長
堀 義人
ほり・よしと
昭和37年生まれ、茨城県出身。61年京都大学工学部卒業後、住友商事入社。平成3年ハーバード大学経営大学院修士課程修了。4年グロービス設立。8年グロービス・キャピタル(現グロービス・キャピタル・パートナーズ)設立。18年グロービス経営大学院設立、学長に就任。G1/KIBOW代表理事、水戸ど真ん中再生プロジェクト座長、茨城ロボッツ/茨城放送の取締役オーナー。著書に『日本を動かす「100の行動」』(PHP研究所)『吾人の任務』(東洋経済新報社)など。