海藻から採取できるぬめり成分で、パンや麺類の食感向上、医療にも貢献する「アルギン酸」。その国内唯一のメーカーとして、シェア九割を誇るのがキミカだ。創業者の急逝に伴って同社の舵を握った笠原文善氏は、四面楚歌の逆境で「ベスト・イン・ザ・ワールド」のものづくりを打ち出し、今日を築いた。まるで戦艦大和に挑む一艘の漁船の気分だった――そう述懐する氏が、悪戦苦闘の末に辿り着いた経営の心とは。
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キミカ社長
笠原文善
かさはら・ふみよし
昭和31年千葉県生まれ。54年東京理科大学工学部卒業。早稲田大学大学院を修了後、持田製薬に入社し、研究開発の技術者として勤務。59年創業者である父の急逝に伴いキミカ入社。技術課長、管理部長、常務、専務を歴任。平成13年現職に就く。