新型コロナウイルスの世界的な感染拡大がいまだ留まるところを知らない。世界でも例を見ない「自粛要請」によって危機を乗り切った日本も、感染の第2波、第3波の発生をはじめ、あらゆる国家緊急事態に万全の備えをしておく必要がある。この先の見えない混迷と不安の時代をどう生き抜けばよいのか——政治、経済、歴史など様々な分野に通暁する拓殖大学学事顧問の渡辺利夫氏に、コロナ以後の世界の中で、いまこそ求められる心構え、日本人の生き方について縦横に語っていただいた。
拓殖大学学事顧問
渡辺利夫
わたなべ・としお
昭和14年山梨県生まれ。慶應義塾大学卒業後、同大学院修士課程修了、博士後期課程満期取得退学。経済学博士。筑波大学教授、東京工業大学教授、拓殖大学学長、第18代総長などを経て、現職。外務省国際協力有識者会議議長、アジア政経学会理事長なども歴任。JICA国際協力功労賞、外務大臣表彰、第27回正論大賞など受賞多数。著書に『神経症の時代─わが内なる森田正馬』(文春学藝ライブラリー)『士魂─福澤諭吉の真実』『死生観の時代』(共に海竜社)『台湾を築いた明治の日本人』(産経新聞出版)などがある。