暴走族や薬物乱用、引きこもり、家庭内暴力など、心に闇を抱えた子供たちは増え続けている。野口石油会長の野口義弘氏、スクールカウンセラーで元福岡県警少年育成指導官の堀井智帆氏は、共に福岡県北九州市で長年そのような子供たちに向き合い更生の手助けをしてきた。野口氏は自身が経営するガソリンスタンドで160人以上を就業支援し、一方の堀井氏は延べ2,000人の子供たちの声なきSOSに耳を傾けてきたという。誰もが手をこまねく非行少年たちは、無私なる二人の実行によってどのように変わっていったのだろうか。
野口石油会長
野口義弘
のぐち・よしひろ
昭和18年鹿児島県生まれ。熊本県内の中学卒業後、九州産交に入社。ガソリンスタンド会社に勤務後、平成7年野口石油を設立、社長に就任。同年福岡保護観察所に協力雇用事業所として登録。現在、北九州市内に3か所のガソリンスタンドを経営。160人を超える非行少年たちを雇用してきた。27年吉川英治文化賞を受賞。
サヤカさんの子を抱く堀井氏
スクールカウンセラー
堀井智帆
ほりい・ちほ
昭和52年神奈川県生まれ。西南女学院大学福祉学科卒業。児童養護施設勤務を経て平成15年福岡県警察本部北九州少年サポートセンター勤務。延べ2,000人の非行少年に向き合う。今年同センターを退職。現在はスクールカウンセラーなどとして子供家庭支援、講演活動などを行う。著書に『非行少年たちの神様』(青灯社)。