力強い掛け声と柔らかな小鼓の音色で観客を能楽の深奥な世界に誘う能楽囃子小鼓方・大倉源次郎氏。室町時代中期から続く大倉流の宗家、人間国宝として日本の能楽界を牽引してきた氏に、試行錯誤を重ねた修業時代、人生・仕事の支えにしてきた父の教え、600年の歴史を有する能楽の〝師資相承〟について語っていただいた。
能楽小鼓方大倉流16世宗家、人間国宝
大倉源次郎
おおくら・げんじろう
昭和32年大阪府生まれ。大倉流十五世宗家大倉長十郎の次男として父に師事し、40年独鼓「鮎之段」で初舞台。60年能楽小鼓方大倉流十六世宗家を継承(同時に大鼓方大倉流宗家預かり)。公益法人能楽協会副理事長。古典、新作能、復曲能など数多くの舞台に参加。第9回大阪市咲くやこの花賞受賞、第37回観世寿夫記念法政大学能楽賞など受賞。平成29年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。FacebookやYouTube「源次郎チャンネル」などを通じ、積極的に情報発信を行う。著書に『大倉源次郎の能楽談議』(淡交社)、共著に『能の起源と秦氏』(ヒカルランド)がある。