昭和60年8月12日、520人の命を一瞬にして奪った日航ジャンボ機墜落事故が発生した。世界の航空史の中で最多の犠牲者を出したこの事故で、美谷島邦子さんは次男の健さんを失った。小学校3年生、初めての一人旅。送り出した美谷島さんの後悔は尽きなかった。以来36年、多くの遺族が集まる「8・12連絡会」の事務局長として会報や文集をつくり続け、講演活動で遺族の声を届け、紙芝居や絵本で命の大切さを訴えてきた美谷島さんが見つけたものとは——。
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「8・12連絡会」事務局長
美谷島邦子
みやじま・くにこ
昭和22年生まれ。60年8月12日に起きた日航ジャンボ機御巣鷹山墜落事故で次男・健さんを亡くす。遺族でつくる「8・12連絡会」事務局長。精神保健福祉士。精神障がい者支援施設を運営、理事長を務める。国土交通省・公共交通事故被害者等支援懇談会委員。著書に『御巣鷹山と生きる』(新潮社)『けんちゃんのもみの木』(BL出版)など。