手相、人相、家相……人類は科学が未発達の太古から、経験を蓄積した相学を発展させてきた。少食により運が開けるとする〝節食開運説〟で知られる江戸時代の観相家・水野南北の『脩身録』には日本相学の粋が詰まっていると、大和の地で1250年の時を刻む春日大社で権宮司を長く務めた岡本彰夫氏は言う。食物も情報も溢れている現代日本に、『脩身録』が投げかけるものとは。同書を実に40年、座右に置く岡本氏の語りに耳を傾けたい。
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元春日大社権宮司
岡本彰夫
おかもと・あきお
昭和29年奈良県生まれ。52年國學院大学卒業後、春日大社に奉職し、数々の古儀・神事を復興。平成13年より27年まで権宮司。同年より奈良県立大学客員教授。宇賀志屋文庫庫長。奉職中から人材育成のための私塾「こころ塾」を主宰し、全国約300人が講話に耳を傾ける。著書に『天が教えてくれた幸せの見つけ方』(幻冬舎文庫)など多数。