2025年4月号
特集
人間における運の研究
一人称
  • グッドモーゲージ社長横山信治

運を引き寄せる
秘訣ひけつは人間力にあり

営業成績全国最下位、左遷、うつ病……。数々の辛酸を嘗めながらも、一大金融企業・SBIグループの子会社の社長にまで上り詰めた横山信治氏。氏の成功の秘訣は、独自に編み出した「運の法則」にあるという。自身の体験と先人の実例を交え、運を引き寄せる要諦を解き明かしていただいた。

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運はコントロールできるもの

運には様々な定義があります。きっと多くの人々は、運は気まぐれに偶然やってくるものと捉えているのではないでしょうか。その一方で、数学者のマックス・ギュンターは著書『ツキの科学』の中でこのように定義づけています。

「運は人生を大きく左右するが、人間の手でコントロール不可能に見える事象」

続けて「運はかなりの確率でコントロールできる」とも述べています。つまり、運は人の手で制御できないものではないということです。運をよくする方法を25年以上独自に研究してきた私もまた、運は100%コントロールできると考えています。この世で起こることにはすべて、原因と結果があるのです。

では、運とは一体何か。ひと言で表すならば、それは人間力です。いくらゴルフのスキルを磨いたとしても、体幹や筋力といった基礎体力が培われていないと上達しないように、人間力が養われていなければ運は巡ってきません。日々の考え方と行動によって、人間力を高めることが不可欠なのです。

かくいう私も40歳まではうだつの上がらないダメサラリーマンで、自分の運命を嘆いている人間でした。けれども、独自に編み出した「運を引き寄せる考え方と行動の法則」を実践するにつれて人生が好転していき、日本の金融界をけんいんするSBIグループの一つである、SBIマネープラザの社長を任されるまでになったのです。2016年には住信SBIネット銀行で初となる専属銀行代理店として、主に住宅ローンを取り扱うグッドモーゲージを創業。現在店舗数24店舗、住宅ローン年間取扱額2,500億円に達しました。

このような体験を踏まえ、企業や大学で研修・講演を行い、延べ2万人以上のビジネスパーソンに接してきました。その中で常々感じているのは、多くの人々が他責で生きているということです。

人や環境のせいにしているうちは、現実は何一つ変わりません。運のいい人とはよい出来事ばかりが起こるのではなく、起こった事象をプラスに捉えることができる人です。何が起こっても、自分の責任と考える癖を身につけることが、運を運んでくれるのです。

グッドモーゲージ社長

横山信治

よこやま・のぶはる

昭和34年大阪府生まれ。46年落語家・笑福亭松鶴に入門し、最年少プロ落語家としてテレビ、ラジオ、劇場に多数出演。57年日本信販(現・三菱UFJカード)入社。平成13年ソフトバンクファイナンス(現・SBIホールディングス)に転職し、日本初のモーゲージバンク・SBIモーゲージ設立に参画。21年SBIマネープラザ社長就任。28年グッドモーゲージを創業。著書に『「運が良くなる人」と「運が悪くなる人」の習慣』(明日香出版社)『めちゃめちゃ運が良くなる人づきあいの技術』(ぱる出版)など多数。