片や幕末の動乱期、片や昭和の激動期。活躍した時代・成し遂げた事業こそ異なるものの、共に強烈な憂国の情を抱いて「人づくり」に命を懸けた2人の傑士がいる。「熱と誠」で多くの志ある人物を育てた吉田松陰と一代で松下電器産業をグローバル企業へ成長させた昭和の大経営者・松下幸之助である。吉田松陰を祀る松陰神社の名誉宮司・上田俊成氏と、松下政経塾塾頭として松下幸之助に薫陶を受けた上甲晃氏に、それぞれの人物像を交えてその功績を辿っていただいた。
松陰神社名誉宮司
上田俊成
うえだ・とししげ
昭和16年山口県生まれ。國學院大學史学科卒業。飯山八幡宮宮司、山口県神社庁長、神社本庁理事、山口県文化連盟会長、長門市文化振興財団理事長を歴任。平成15年松陰神社宮司を経て、28年より名誉宮司・顧問に。著書に『零言集』(マシヤマ印刷)の他、今年(2023年)3月に『熱誠の人 吉田松陰語録に学ぶ人間力の高め方』(致知出版社)を刊行。
志ネットワーク「青年塾」代表
上甲 晃
じょうこう・あきら
昭和16年大阪市生まれ。40年京都大学教育学部卒業と同時に、松下電器産業(現・パナソニック)入社。56年松下政経塾に出向。理事・塾頭、常務理事・副塾長を歴任。平成8年松下電器産業を退職、志ネットワーク社を設立。翌年青年塾を創設。著書に『志のみ持参』『松下幸之助に学んだ人生で大事なこと』『人生の合い言葉』など。最新刊に『松下幸之助の教訓』(いずれも致知出版社)。