2024年3月号
特集
丹田常充実
インタビュー①
  • エース会長林 博己

夢を持て 夢は叶う

北海道石狩地域を本拠地に、道内・東北・関東で総合物流事業を展開するエース。
今年(2024年)創業40周年を迎え、売上高は150億円、従業員数は1600名に及ぶ。
しかし、林博己氏が30歳で創業した時はまさに徒手空拳からのスタートだった。
貧乏や理不尽に耐え、這い上がってきた歩みを辿りながら、事業発展の秘訣に迫る――。

この記事は約14分でお読みいただけます

「理想的な物流業」を目指して40年

──先ほど事務所のスタッフ全員が立ち上がってお出迎えくださったことに感動しました。

ありがとうございます。そういう職場環境をつくりたかったんですよ。私はいまから40年前、昭和59年6月に、「物流を通じて社会に貢献し、人間味のある物流を行う」という経営理念の下、「理想的な物流業」を目指し当社を設立しました。理想的な物流業とは、具体的には次の5つです。
1、世の中で、これほど役立っている物流事業を社会・世間に認知させたい
2、日本中のドライバーのレベルアップと、ドライバーの社会的地位を高めたい
3、お客様のご依頼事項・要望を100%満足させるために、会社のシステムを高いレベルで築き上げたい
4、社員が生き生き、楽しく働く環境を整えたい
5、当社に関わる皆様と夢を共有したい
しゅくうけんからのスタートでしたが、おかげさまで現在では北海道を中心に東北と関東に30か所を超える拠点を持ち、車両数約600台、売上高150億円、取引先は400社に及んでいます。まだまだこころざし半ばですけれども、この理想に向かって確実に歩んでいます。

──創業40周年の節目を迎え、どんな感慨を抱かれていますか?

いま申し上げたようにまだ坂の途中なので、あまり意識はしていません。創業時、そう簡単に長く続かないだろう、とにかくつぶさないように根性入れて頑張ろう。その一心でやってきましたから、振り向いたら40年経っていたという感じですね。
いま社員とパート合わせて1,600人ほどいますが、「今年も潰れなかった。ああ、よかった」という感謝を込めて、毎年全員にまんじゅうを配っているんですよ。

──今日まで発展し続けてきた要因はどこにあるのでしょうか?

それは自分ではよく分かりませんが、理由づけるとしたら真面目に一所懸命、コツコツやってきたことでしょうか。それと、社員やお客様、協力業者様に対して、どんな小さなうそもつかない。
例えば、ピッキングしている時に物を落として壊してしまった。それを知らんぷりして出荷するのではなく、正直に報告するとか。さいなことであっても決してごまかさない。そういうことは口うるさく伝えてきました。創業時から「物流業はサービス業である」を信条に、人の育成を第一に考え、社員教育をとにかく徹底してきましたので、それが長生きできているけつじゃないかと思います。

エース会長

林 博己

はやし・ひろみ

昭和28年北海道生まれ。53年東海大学卒業後、宝運輸入社。59年エース運輸(現・エース)設立、社長就任。平成30年会長就任。