2017年9月号
特集
閃き
一人称
  • 鉄道ジャーナリスト梅原 淳

世界初の地下鉄は
かくて生まれた

なぜ鉄道を地下に走らせようと閃いたのか

いまから150年以上前の1863年、イギリスの首都・ロンドンで世界初の地下鉄が誕生した。以後、地下鉄は全世界に普及し、いまや私たちの生活に欠かせない交通手段となっている。そもそも誰が、なぜ鉄道を地下に走らせようと閃いたのか―。国内外の鉄道事情に精通する鉄道ジャーナリストの梅原 淳氏に、世界初の地下鉄誕生の歴史とともに、優れた閃きを生む秘訣を語っていただいた。

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意外に知られていない地下鉄誕生の歴史

通勤や旅行、ちょっとした外出など、地下鉄はいまや現代人の生活にとってなくてはならない交通手段となっています。

しかし、そもそも誰が、なぜ鉄道を地下に走らせようと閃いたのか。そしてどのようにして実用化されるに至ったのか、知っている人はほとんどいないのではないでしょうか。

私は物心ついた頃から鉄道が好きで、やがて鉄道の歴史や仕組みなどにも興味を持ち、自分なりに勉強するようになりました。大学卒業後、民間企業に就職したものの、やはり鉄道への思いは捨てきれず退職し、鉄道雑誌の編集者を経て、フリーの「鉄道ジャーナリスト」として独立します。

以後、日本や海外の鉄道に関する書籍の執筆や雑誌への寄稿を中心に、講演・講義やマスメディアでのコメント活動、さらには鉄道に関して行政や自治体が実施する調査への協力などにも精力的に取り組み、現在に至ります。

本欄では、意外に知られていない地下鉄誕生の歴史をご紹介するとともに、世界初の地下鉄を生んだ閃きから、私たちが学ぶべきことを考えてみたいと思います。

鉄道ジャーナリスト

梅原 淳

うめはら・じゅん

昭和40年東京都生まれ。大学卒業後、三井銀行(現・三井住友銀行)に入社。その後、雑誌編集の道に転じ、交友社月刊『鉄道ファン』編集部などを経て、平成12年からフリーランスの鉄道ジャーナリストとして活動する。合同会社ウメハラトレイン代表社員。著書に『定刻運行を支える技術』(秀和システム)『最新 新幹線事情』(平凡社)『ビジュアル日本の鉄道の歴史』(ゆまに書房)などがある。