2023年3月号
特集
一心万変に応ず
インタビュー①
  • カーブスホールディングス社長増本 岳

世のため人のための
経営を追求する

全国に約2,000店舗を展開し、フィットネス業界で顧客満足度8年連続1位を獲得している「カーブス」。「50代からのカーブス」「女性専用」をコンセプトに躍進を続けるカーブスを今日まで牽引してきた増本 岳社長に、山あり谷ありのビジネス人生から掴んだ企業発展の要諦をお話しいただいた。

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カーブスが躍進し続ける理由

——御社が展開するフィットネスクラブ・カーブスは、驚くほどのスピードで成長を遂げていますね。まずカーブスが多くの人々に支持される理由をお教えください。

カーブスは他のフィットネスとはお客様層が全然違う、これが第1ですね。普通のフィットネスクラブには、運動やスポーツ好きの方が通ってらっしゃるかと思います。でもカーブスは、「女性専用」「50歳からのカーブス」をコンセプトに、健康の悩みを抱えているけれども普段運動の機会が得られない、運動が苦手な50歳以上の女性を対象にしているんです。

——同業他社が注目してこなかった層を対象にしていると。

運動が苦手な方が多いですから、運動プログラムも取り組みやすく、かつ効果が実感できるものでなくてはなりません。そこでカーブスでは、筋力トレーニングと有酸素運動、ストレッチの3つを約30分で行える独自のプログラムを提供しています。
わずか30分ですが、このプログラムを実践することによって、効率的な筋力アップ、高い脂肪燃焼効果が得られ、生活習慣病や認知機能の改善にも役立つことが様々な科学的研究から明らかになっています。

——30分で。それは魅力的です。

ただ、運動プログラムがあればいいかといえば、そうではありません。そこで重要なのが、運動の苦手なお客様に寄り添う女性インストラクターの存在です。
私は現場のインストラクターたちに、「カーブスに来ていただく理由を3つつくろう」と常々言っているんですね。1つは当たり前ですが、健康のために運動をしに来ていただく。2つにはインストラクターに会いに来ていただく。つまり、運動方法を指導するだけでなく、一人ひとりのお客様のことをよく理解して、「あのインストラクターに会いたいからカーブスに行こう」と思っていただける人間関係をつくっていこうと。
例えばカーブスでは、お客様の顔と名前を覚え、必ずファーストネームでお呼びします。また一人ひとりのお悩みを理解し、その方に合ったサポートをすると共に、お悩みがよくなったらどうしたいのか、まで理解して寄り添っていきます。さらに1週間ご来店がなければ「ウェルカム・コール」を行うのですが、仕事と親の介護を両立しながら通っているお客様には、「お父様のご加減はいかがですか?」というように、相手の事情をおもんぱかった対応を心掛けています。

——まさに、お客様を物心両面からサポートしていくのですね。

3つには、カーブスで仲よくなった友達に会いに来ていただく。心許せる女性同士のコミュニティーができることによって、運動を続けようという動機が強まっていくんですね。
以上の3つを大事に守り、深めてきたこと。特に「お客様に健康になってもらいたい」「地域を健康にしたい」との使命感にあふれるインストラクターの存在がカーブスの1番の強みだと思っています。

カーブスホールディングス社長

増本 岳

ますもと・たけし

昭和39年神奈川県生まれ。明治大学卒業後の63年、日本エル・シー・エー入社。翌年ベンチャー・リンク入社。平成17年カーブスジャパン設立、代表就任。23年よりカーブスホールディングス社長。