「炎のマエストロ」と呼ばれ、間もなく83歳になるいまもタクトを振り続ける世界的指揮者の小林研一郎氏。将棋界において前人未到の7冠や通算1,500勝を達成し、目下、通算タイトル100期をかけて藤井聡太王将との第72期王将戦に挑む羽生善治氏。30年来の知己であるお二人は一つの道を貫く中でどのような人生の四季を味わい、どのような心境に至ったのだろうか。プロとして歩み続けるお二人の仕事観、人生観に学ぶ
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指揮者
小林 研一郎
こばやし・けんいちろう
昭和15年福島県生まれ。東京藝術大学作曲科、指揮科の両科を卒業。49年第1回ブダペスト国際指揮者コンクール第1位、特別賞を受賞。その後、多くの音楽祭に出演する他、ヨーロッパの一流オーケストラを多数指揮。平成14年の「プラハの春音楽祭」では、東洋人初のオープニング「わが祖国」を指揮。ハンガリー国立フィル桂冠指揮者、名古屋フィル桂冠指揮者、日本フィル音楽監督、東京藝術大学教授、東京音楽大学客員教授などを歴任。ハンガリー政府よりハンガリー国大十字功労勲章(同国最高位)等を、国内では旭日中綬章、文化庁長官表彰、恩賜賞・日本芸術院賞等を受賞。
将棋棋士
羽生 善治
はぶ・よしはる
昭和45年埼玉県生まれ。6歳で将棋を始める。小学6年生で二上達也九段に師事し、奨励会(プロ棋士養成機関)に入会。中学3年生で4段となり、史上3人目の中学生プロ棋士に。平成8年7大タイトルを独占し、史上初の7冠に。30年棋士として初めて国民栄誉賞受賞。令和4年公式戦通算1,500勝達成。通算タイトル獲得数は99期と単独1位。現在、タイトル100期を期して藤井聡太王将との王将戦に挑む。著書に『決断力』(角川書店)『迷いながら、強くなる』(三笠書房)など多数。