我が国の文明開化に大きな影響を与え、その啓蒙思想が日本人の精神形成の礎となった福澤諭吉。若くしてドイツに渡り破傷風菌の純粋培養や血清療法の確立など細菌学の分野で多大な功績を上げた北里柴三郎。高い志を立てて困難に挑戦し、日本を近代化へと導いた明治人の気概を象徴するのが、まさにこの2人ではなかろうか。作家・山崎光夫氏と、〝博多の歴女〟白駒妃登美氏の対談を通して見えてくる2人の偉人の志と生き方に学ぶ。
作家
山崎光夫
やまざき・みつお
昭和22年福井県生まれ。早稲田大学教育学部卒業後、放送作家、雑誌記者を経て小説家に。主に医学薬学関係の小説、ノンフィクション、エッセイを発表している。『安楽処方箋』(講談社)で小説現代新人賞受賞。『藪の中の家──芥川自死の謎を解く』(文藝春秋)で新田次郎文学賞受賞。他に『ドンネルの男 北里柴三郎』(東洋経済新報社)『鷗外 青春診察録控』(中央公論新社)など多数。日本文芸家協会会員、日本医史学会会員、福井ふるさと大使、森鷗外記念会評議員、新田次郎記念会評議員なども務める。
ことほぎ代表
白駒妃登美
しらこま・ひとみ
昭和39年埼玉県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、日本航空に入社し、平成4年には宮澤喜一首相訪欧特別便に乗務。24年に㈱ことほぎを設立、講演活動や著作活動を通じ、日本の歴史や文化の素晴らしさを国内外に向けて広く発信している。天皇陛下(現在の上皇陛下)御即位三十年奉祝委員会・奉祝委員、天皇陛下御即位奉祝委員会・奉祝委員を歴任。現在、教育立国推進協議会のメンバーとして活動中。著書に『子どもの心に光を灯す日本の偉人の物語』『親子で読み継ぐ万葉集』(共に致知出版社)など多数。