人生には突如として思いがけない困難に遭遇することがある。官僚としてキャリアを重ねる中、身に覚えのない罪で逮捕、拘留された村木厚子さん。陸上長距離の天才少女として脚光を浴びるも、オリンピックで大きな挫折をした増田明美さん。お2人は訪れた困難とどう向き合い、乗り越えてこられたのか。ご対談を通じて、寧静致遠という言葉が教える
元厚生労働事務次官
村木厚子
むらき・あつこ
昭和30年高知県生まれ。高知大学卒業後、53年労働省(現・厚生労働省)入省。障害者支援、女性政策などに携わる。平成21年郵便不正事件では偽装公文書作成容疑等で逮捕・起訴されるも、22年の裁判で無罪が確定し職場に復帰。25年厚生労働事務次官。27年退官。現在は伊藤忠商事社外取締役や、津田塾大学客員教授などを務める。著書に『あきらめない』(日経BP社)『私は負けない』(中央公論新社)。
スポーツジャーナリスト
増田明美
ますだ・あけみ
昭和39年千葉県生まれ。成田高校在学中、長距離種目で次々に日本記録を樹立。59年のロス五輪に出場。平成4年に引退するまでの13年間に日本最高記録12回、世界最高記録2回更新という記録を残す。現在はスポーツジャーナリストとして執筆活動、マラソン中継の解説に携わるほか、ナレーションなどでも活躍中。著書に『カゼヲキル』(講談社)『認めて励ます人生案内』(日本評論社)など。