木が弱り衰えていくのには5つの段階がある、と安岡正篤まさひろ師が言っている。「木の五衰ごすい」である。

その第一は「懐ふところの蒸むれ」。枝葉が茂しげり過ぎると日当たりも風通しも悪くなり、木の根幹が弱ってくる。この状態が続くと、根が上がってくる。これを「裾すそ上がり」という。そうなると、木は頭から枯れてくる。「末うら枯れ」である。「末」は梢こずえのことである。梢が枯れてくると「末止まり」となる。成長が止まるのである。この頃になると、いろいろな害虫がつき始める。「虫喰くい」である。