脳卒中の中で最も危険とされている「くも膜下出血」。高い確率で死に至るこの病気を未然に防ぐのが、「クリッピング手術」を得意とする脳神経外科医の加藤庸子さんだ。親身になって患者に寄り添い、卓越した技術で手術を行うとともに、発展途上国の教育支援に注ぎ込む情熱には、60歳を超えたいまも、いささかの陰りもない。
脳神経外科医
加藤庸子
かとう・ようこ
昭和27年愛知県生まれ。愛知医科大学医学部を卒業。名古屋保健衛生大学(現・藤田保健衛生大学)脳神経外科教室の研修医となり、60年脳神経外科医の資格を取得。平成2年世界脳神経外科連盟の副理事長に就任。3年藤田保健衛生大学で脳神経外科医として勤務。18年脳神経外科医として日本初の女性教授に就任。26年9月から藤田保健衛生大学坂文種報德會病院脳神経外科に勤務地を移転し、現在に至る。