「働き方改革」が叫ばれて久しい。長時間労働の是正などが主たる目的だったが、それによって得られたものとは何なのか。いまや日本の世界競争力は31位、熱意を持って意欲的に働く日本人は僅か5%にすぎないという。京セラとJALで稲盛和夫氏の側近として長年仕えた大田嘉仁氏と一橋大学ビジネススクール客員教授の名和高司氏に、トップリーダーの仕事観・人生観を紐解きながら、私たちが目指すべき働き方についてご対談いただいた。
一橋大学ビジネススクール客員教授
名和高司
なわ・たかし
昭和32年熊本県生まれ。55年東京大学法学部卒業、ハーバード・ビジネス・スクール修士(ベーカースカラー授与)。三菱商事の機械部門(東京、ニューヨーク)に約10年間勤務。マッキンゼーのディレクターとして、約20年間コンサルティングに従事。平成22年一橋大学ビジネススクール(国際企業戦略科)教授。令和2年同客員教授。4年京都先端科学大学国際学術研究院教授。著書に『稲盛と永守』(日本経済新聞出版)、『パーパス経営』(東洋経済新報社)など多数。
日本航空元会長補佐専務執行役員
大田嘉仁
おおた・よしひと
昭和29年鹿児島県生まれ。53年立命館大学卒業後、京セラ入社。平成2年米国ジョージ・ワシントン大学ビジネススクール修了(MBA取得)。秘書室長、取締役執行役員常務などを経て、22年日本航空会長補佐専務執行役員に就任(25年退任)。27年京セラコミュニケーションシステム代表取締役会長に就任。現職は、MTG取締役会長、学校法人立命館評議員、鴻池運輸取締役、新日本科学顧問、日本産業推進機構特別顧問など。著書に『JALの奇跡』(致知出版社)がある。