渡部昇一先生は生前、「もし子供が生涯幸運に恵まれることを願うなら、まずその子供を可愛がれ」と言われていたという。その言葉どおりに両親からの深い愛を受け、いずれも音楽の道へと進んだ長女の早藤眞子さん、長男の渡部玄一氏、二男の渡部基一氏。亡き父の思い出を交えながら、その教えを振り返っていただいた。そこから見えてくるのは父親としての素顔と、常に自己と厳しく対峙し続けた修養者としての一面である。
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ピアニスト
早藤眞子
はやふじ・まこ
桐朋学園大学卒業後、英国ロイヤル・カレッジ・オブ・ミュージックにてA.R.C.M(ピアノ及びチェンバロ)取得。夫のパリ勤務を機にバロックアンサンブルをN・シュピートに師事。2005年ジュネーヴ・コンセルヴァトワール・ポピュレール・ド・ムジーク・オルガン科を修了。2004年よりマンダモン・ローヌ教区オルガニストを務め現在に至る。2008年より2017年までジュネーブ日本語補習学校講師。
チェリスト
渡部玄一
わたなべ・げんいち
東京芸術大学附属高校を経て、桐朋学園大学卒業。同校研究科卒業。1993年米国ジュリアード音楽院卒業。インディアナ大学で研鑽を積み1995年帰国。以来、NHKテレビ出演をはじめ、ソリストとして、また室内楽、オーケストラ奏者として幅広く活躍。2003年より文化庁海外派遣員として1年間ドイツのミュンヘンにて研修。2008年(株)東京アンサンブルギルド設立。現在、読売日本交響楽団団員。