昭和を代表する染色の名匠といわれた森口華弘氏を父に持ち、親子2代で人間国宝に認定された染色家の森口邦彦氏。日本の伝統建築である数寄屋建築の匠として、数々の名建築を手掛けてきた中村外二氏を父に持つ中村義明氏。父の教えを受け継ぎながらも、ともに独自の世界を切り開いてきたお二人が縦横に語り合う、父と子のあり方、そして父から子へ受け継がれしもの──。
染色家、人間国宝
森口邦彦
もりぐち・くにひこ
昭和16年京都府生まれ。京都市立美術大学卒業後、22歳で渡仏し、パリ国立高等装飾美術学校でグラフィックデザインを学ぶ。41年帰国し、父・森口華弘の工房に入門。42年日本伝統工芸展に初出品初入選。以後受賞歴多数。平成19年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定。
中村外二工務店代表 数寄屋建築棟梁
中村義明
なかむら・よしあき
昭和21年京都府生まれ。44年立命館大学経営学部卒業後、中村外二工務店入社。大阪万博日本庭園内茶室、ニューヨーク・ロックフェラー邸、伊勢神宮茶室、京都迎賓館主賓室座敷など、国内外の数多くの建築に携わる。平成9年より現職。