トヨタ自動車「発」であり「初」のベンチャー企業として目覚ましい飛躍を遂げるアドマテックス。実験の失敗によって偶然生まれた真球状シリカ微粒子・アドマファインは半導体に不可欠な素材として現在シェア約9割を占めるという。アドマファインの発見者で、現社長の安部 賛氏の華々しい成果に隠された鞠躬尽力の軌跡を辿ることで、物事を成功に導く秘訣を探りたい。
アドマファイン
アドマテックス社長
安部 賛
あべ・すすむ
昭和28年福岡県生まれ。56年九州大学大学院総合理工学研究科材料開発専攻修士課程を修了後、トヨタ自動車工業(現・トヨタ自動車)入社。60年事故から偶然に真球状シリカ微粒子・アドマファインの合成法を発明。平成2年アドマテックスの設立に参画。21年同社社長に就任。著書に『異端者たちの挑戦』(幻冬舎)など。