自然の循環や人間の深層心理をモチーフにした新建築に挑み続けている人物がいる。国際的にも高い評価を得る建築家・髙﨑正治氏である。見る人を驚嘆させる建築物の斬新な閃きはどこから生まれるのだろうか。髙﨑氏と長年交遊があり、油絵や書、篆刻など様々な芸術作品を生み出してきた美術家の清水義光氏とともに語っていただいた。
美術家
清水義光
しみず・よしみつ
昭和19年山口県生まれ。高校卒業後、無人島に住むことを計画するも失敗。美術の道に方向転換。富岡鉄斎の研究が縁で中川一政氏と邂逅。以後、個展にて油絵、銅版レリーフ画、蠟染め、陶芸、篆刻、書などを次々と発表。文化誌『ニューパワー君』編集人。著書に『生命の王者──油絵を描いた禅坊主・中川一政』(河出書房新社)など。
建築家
髙﨑正治
たかさき・まさはる
昭和28年鹿児島県生まれ。大学卒業後、ヨーロッパに渡り前衛建築を学ぶ。帰国後の57年東京・原宿にTAKASAKI物人研究所を開設。社会芸術としての理念の具現化に向けて住まいや街づくりを手掛けるようになる。平成2年髙﨑正治都市建築設計事務所を開設。王立英国建築家協会ジェンクス賞、日本建築家協会新人賞など受賞。王立英国建築家協会名誉フェロー、京都造形芸術大学大学院客員教授。