明治初年の創業以来、湖国近江に150年続く日本料理の名店・招福樓。95歳のいまも料理人としての使命に燃え続けておられる三代目主人・中村秀太良氏は、伝統の技に新しい工夫を大胆に凝らし、和食の可能性を追求し続けてきた。その足跡を振り返っていただき、維新を成し遂げた志士の如き気概の源を探った。
招福樓大主人
中村秀太良
なかむら・ひでたろう
大正11年滋賀県生まれ。学徒動員を経て、昭和22年関西大学卒業。京都酸素設立に携わった後、家業の招福樓に入る。29年組織変更に伴い招福樓社長に就任。平成4年会長。共著に『招福樓・おりふしのこと』『招福樓 季々のおもてなし』(ともに世界文化社)。